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数理論理学 確認問題6
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●問1

次の (1)〜(4) の命題を論理式で表せ.
なお,対象領域は整数全体の集合とし(つまり x∈Z や y∈Z 等の明示は不要で),
x が y の約数であることを x|y と表す.

(1) どの整数も,平方すると正である.
(2) 平方が自分自身に等しい整数が存在する.
(3) x が偶数ならば,x は4の倍数である.
(4) ある偶数は,その平方が4で割り切れない.

●問2

任意の命題 A, B について,以下の同値命題はどれも恒真である.
・ ¬¬A ⇔ A              (二重否定の法則)
・ A∨B ⇔ B∨A            (∨の交換法則)
・ A⇒B ⇔ ¬A∨B   (⇒ の ¬ と ∨ による表現)
これらの論理法則を使って,¬A⇒¬B ⇔ B⇒A が恒真であることを
同値変形により証明せよ.使った論理法則の名称を各行に明示すること.

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●答1 (論理式による表現:全称と存在)

(教科書 p.105 確認問題1.13 の解答と解説を参照)

[解説]

量化子の後には必ず述語が続くので,∃x (x^2=x) や ∀x (x^2>0) の括弧は省いて
∃x x^2=x や ∀x x^2>0 と書いても良い.

●答2 (証明法:同値変形)

同値変形による証明を以下に示す.

   ¬A⇒¬B
⇔ ¬¬A ∨ ¬B      (⇒ の ¬ と ∨ による表現)
⇔ A ∨ ¬B        (二重否定の法則)
⇔ ¬B ∨ A        (∨の交換法則)
⇔ B⇒A           (⇒ の ¬ と ∨ による表現)

[解説]

教科書p.17の確認問題1.7で扱っているように,真理表を使った証明もできる.

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授業のホームページ

山田 俊行
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