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数理論理学 確認問題3
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●問1

命題 (A⇒B)∧(B⇒A) について,次の設問に答えよ.

(1) この命題の真理表を,結合子の下に 0, 1 を並べる形式で示せ.

(2) 上記の命題と論理同値な(つまり,真理表が一致する)命題を一つ挙げよ.
    ただし,論理結合子の個数がなるべく少ないものを挙げること.

●問2

ここでは,整数を対象とする論理式を扱う.つまり,変数の変域が整数全体の
集合Zであると約束し,x∈Z や y∈Z などを暗黙の了解と考えて省略する.

(1) x が y の約数であることを表す記法 x|y を使って,次の主張を論理式で表せ.
    (x-1) の 2 乗が 4 で割り切れるならば,x は偶数ではない.

(2) この主張が正しいことを証明せよ.証明の方針(何を仮定して何を導くか)
    を明示すること.

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●答1 (真理表)

(教科書 p.103 確認問題1.6 の解答と解説を参照)

[解説]

含意⇒と同値⇔の真理表はすぐに思い出せるようにしておくとよい.
論理同値な論理式を見付けるには,次回以降に学ぶ論理法則による同値変形も有用.
なお,「論理結合子の個数が少ないもの」という条件を取り除くと,
与えられた論理式が (A∧B)∨(¬A∧¬B) や (¬A∨B)∧(A∨¬B)
などと論理同値であることも,真理表を書いて確かめられる.

●答2 (証明法:含意の間接証明)

(1) 4|(x-1)^2 ⇒ ¬ 2|x

(2) (教科書 p.45 例題2.2 を参照)

[解説]

証明すべき主張は「A⇒B」の形をしている.この含意が直接証明しにくいなら,
間接証明(対偶の証明や背理法による証明)を試すとよい.

・対偶の証明: 結論の否定 ¬B を仮定して前提の否定 ¬A を導く.
・背理法の証明:前提 A と結論の否定 ¬B を仮定して矛盾を導く.


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山田 俊行
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