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数理論理学 確認問題2
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●問1

x が y の約数であることを x|y と表す.次の各文を,論理記号を使って式で表せ.

(1) 2 は 4 の約数であり,かつ,2 は 3 の約数ではない.

(2) 12 は,2 と 3 の倍数だが,128 や 256 の約数ではない.

●問2

整数に関する主張「x, y が奇数のとき x-y が偶数である」について,
次の設問に答えよ.

(1) 主張を分析して,対象と述語をそれぞれ ( ) と [ ] で囲んで示せ.
    ただし,述語の範囲が明確になるように,必要に応じて文を言い換えること.

(2) 主張を論理式で表せ.ただし,整数 z に関する性質「z が奇数である」や
    「z が偶数である」を,z:奇 や z:偶 で表すこと.

(3) 主張が正しいことを証明せよ.ただし,偶数は整数 k を使って 2k の形に
    表せる整数,奇数は整数 k を使って 2k+1 の形に表せる整数,と定義する.

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●答1 (論理式による表現:論理結合子)

(教科書 p.102 確認問題1.4 の解答と解説を参照)

●答2 (証明法:含意命題の直接証明)

(教科書 p.102 確認確認1.3 の解答と解説 や 教科書 p.42 例題2.1 を参照)

[解説]

式に現れる括弧は,記号の優先度を考慮して,誤読を生じない範囲で
適度に省いて読みやすくする.どの括弧が省けるかについては,
解説資料集 p.3「記号の優先度」や p.4「記号による式の組み立て」を参照.

(2) では,記号の優先度の順が 関数記号 > 述語記号 > 論理結合子 であり,
論理結合子の中では,連言 ∧ の方が含意 ⇒ より優先度が高い,という約束の
もとで括弧を省くのが標準的である.括弧を全て補うと次の論理式になる.

        (((x:奇) ∧ (y:奇)) ⇒ ((x-y):奇))

証明すべき主張は「A⇒B」の形をしているので,直接証明するために
A(が真であること)を仮定して,B(が真であること)を導けばよい.

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山田 俊行
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